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AuthaGraph World Map

1820年まで南極は発見されず、人類が北極点に到達したのは1909年のことだ。また20世紀においては、世界は東西対立といった構図で把握されがちであり、ここでは人間が主に活動する陸地に関心が偏っていた。
20世紀後半になって、環境への関心が高まり、また利権が絡む極地や海への関心が広がっていた。温暖化の鍵となる北極の海氷、海洋資源に絡む領海問題、南極のオゾンホール、ツバルを水没させる大きな要因となるグリーンランドの氷河などである。また赤道の海を移動するエルニーニョが、世界の異常気象の原因となり陸地の経済に影を落とすことも分かってきた。
「オーサグラフ」による世界地図を作った目的は、球面全体にまんべんなく展開されるようになった注目地域を、もれなく平等に一望できる視点を提供する事にある。

写像過程

全体に対する面積比を維持しながら各分割領域を写像(地図投影)する処理を“立体角写像”とよんでいる。
また途中に立体を介して複数種類の異なる写像を組み合わせる多階層な過程を“多階層写像”と名付けた。
球面から正四面体に直接光学的な投影を行うと面積に大きなずれが生まれる。
立体角写像や多階層写像のような工夫を加えているのはこうした誤差を吸収するためだ。

既存地図との比較/四角か精度か

提案する地図は、メルカトル図法と同じ長方形でありながら、ダイマキシオン・マップ同様、面積を極力正しく表示することができる。

行き止まりのない世界

「オーサグラフ」による地図を縦横に並べ、地球何個分もの世界地図を作ることができる。このとき陸地と海は、エッシャーの絵における鳥と魚のように継ぎ目なく連続する。かつて地球が無限平面だと思われていたように、球面も無限平面も行き止まりがない。この地図は、平面充填により全方向に拡張できることで行き止まりを無くし球面の性質を再現できる。

世界地図の再配列

世界地図1個分の長方形ビューアーが回転、連続移動できることで、平面充填された世界地図から様々な地域を中心にした世界地図を新たに取り出すことができる。それによって極東、北上、西洋といった特定のパースペクティヴから離れて世界を見渡すことができる。

ISS Long-term Tracking

本平面充填地図に、例えば国際宇宙ステーション(ISS)の長い軌跡を途切れることなく表示できる。このように地球を周回するような、従来表現しづらかった主題図を俯瞰することができる。(ISSの各時刻における位置は、NASA、アメリカ国防省から平均1日5回発行されるデータを配信するウェブサイトcerestrakの情報提供により導き出している。)『80日間世界1周』(ヴェルヌ)の時代から140年経ち、一日に地球を何周もする多数の人工衛星が通信の基盤となり、気象、環境汚染、埋蔵資源、魚場調査などをリモートセンシングしている。平面充填されたオーサグラフ地図はこのような高速移動する衛星の軌跡を長時間にわたり一本のラインで表記する事ができる。

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